2017年12月27日水曜日

deronderonderon deronistour in Pangea2017.12/19】


 


 
  皆さん、“ニューレイヴ”ってご存じ?ロック音楽のスタイルの一つで、エレクトロの要素もあるとされている。とどのつまりは、踊れるロックの業界的なジャンルの呼び方である。そんな“ニューレイヴ”を体現できるバンドが、日本に存在している。
 横浜発の踊れるロックバンドderonderonderonは、今年10/11に自身初となるEP『deronist EP』を全国発売した。“deronistour”と題されたレコ初ライブは、全国各地でのツアー・初のワンマン公演を終えて、この日に最終日を迎えた。デロンにゆかりの深いバンドが集結し、ダンスでフロアが揺れる夜となったこの日。
 
 まず一組目は、前日にワンマン公演を終えたばかりの超能力戦士ドリアン。おなじみの「いきものがかりと同じ編成」や「チャーハンパラパラパラダイス」で場を温めた。MCでは、やっさん(Vo/Gt)がデロンというワードを連発。彼らなりの先輩への、祝辞ともとれるMCに場は和んだ。
 続いて、神頼みレコード。踊れるロックとはまた別の、センセーショナルなライブが特徴の彼ら。この日も、会場の空気が熱く一変するほどのパフォーマンスを披露した。「出来るやってみたい」で、会場全体が笑顔で拳をあげる姿は、圧巻であった。
 そして、ペペッターズ広村の弾き語りと続く。バンドの曲はもちろん、デロンの代表曲である「KICK ME ASS」を披露。歌詞は耳コピで曖昧であったと、ゆったり語る独特のMCに、会場の空気が和やかになった。
 転換中にはFREE ZINE『SPICE』のYUTOがDJを務め、フロアの音楽は鳴り止まない。


 そして、derondeornderon


 その登場とともにヒートアップする会場。「KICK ME ASS」から、彼らのニューレイヴショーが幕を開けた。デロンの代表曲からの開演に、会場はディスコのフロアのように、揺れ始めた。
「WORLD」では、キレのいい演奏が響き渡り、つづく「JESUS!!!!!」はアップテンポなリズムと、“ドレミファソラシド”に合わせられた特徴的な歌詞で盛り上がる。歌詞の「JESUS!!!!!」に合わせて観客も拳をあげ声を張るレスポンスが、さらに会場内に一体感を生む。
 そして「dance to the light」では、会場が踊る踊る踊る・・・。だが、メンバー自身の顔つきは、勝負を挑むような視線が中にあり、ロックの真髄を感じる。 
 
  そしてここから後半戦。1stEP『deronist EP』に収録されている3曲が、立て続けに披露された。
 まずは、木越アイ(Syn/2ndVo)が、初のメインボーカルをとった「my beat,your beat」。関西では初披露。切なくとも力強い彼女の歌声と、響き渡るシンセサイザーの音に、息を呑むかのような緊張感が走る。鳴り響く音とは裏腹に、静かに熱く燃える感情の揺れを含んだ演奏に、新たな一面を感じた。
  「U/C/N/R/S」では、リズム隊の圧倒的な演奏力に驚かされる。マチルダ(Ba)のベーズ音に、もりもとのぞみ(Dr)のドラム音が轟く。
 そして、本編ラストの「MAYDAY」。音が多いわけではないのに、踊り切らせてくれる本楽曲。ばっしー(Gt)のメロディーラインには、デロンらしさと新しさが混ざり合っていて心が躍る。デロンが表現する“ニューレイヴ”を心ゆくまで堪能することが出来る心地よさに、会場内はダンスフロアへと変貌を遂げた。
 そしてつづくアンコールでは、「bassssshoy」と「D.E.R.O.N」を披露。最後まで、ツアー最終日という感傷に浸ることなく、会場内を熱く踊らせた。
 本公演の2日前に、マチルダの脱退が発表された。
だが、バンド・マチルダともに前向きであり、必ずや互いにいい方向に進むと確信が得られるライブであった。
さわいの歌声は、熱を帯びながらも繊細且つ伸びやかでデロンにとって唯一無二だ。そして、誰にも似ていない音を奏でる彼らは、ロックであり、パンクであり、エレクトロである。ジャンルに捉えきることの出来ない音の豊かさに、彼ららしさがある。

 
 さあ、皆さんも“ニューレイヴ”を、体験してみませんか?


all live photo by 雷


deronderonderon→公式HP : http://deronderonderon.com/ 公式twitter:@deronx3(xはエックス)
10/11より1st EP『deronist EP』全国発売中!!
雷(らい)→HP:http://nameless5d.wixsite.com/shoote  twitter:@nameless4645 deronderonderonの他に、超能力戦士ドリアン・愛はズボーン・ビレッジマンズストア・リーガルリリーなどのライブ写真の撮影も行なっている.


written by saeco hitomi




 

2017年12月19日火曜日

【超能力戦士ドリアン モンドセレクション受賞でSHOW in梅田シャングリラ2017.12/18】

【超能力戦士ドリアン モンドセレクション受賞でSHOW in梅田シャングリラ2017.12/18】






左:けつぷり(Gt)・中央:おーちくん(Vo)・右:やっさん(Vo/Gt)

 目を見張るほどに人人人。チケットはSOLD OUTとわかっていても、梅田シャングリラを埋め尽くす“ドリーマー”の数に感慨深さが生まれた。
 この日、超能力戦士ドリアンは自身2度目となるワンマンライブを行なった。オープニングアクトには、ライブキッズあるある中の人がDJとして参加。感覚ピエロ・ヤバイTシャツ屋さん・キュウソネコカミなど、ライブキッズなら誰もが口ずさめるような選曲で、会場を熱く盛り上げた。
 
彼らの公演は、諸注意のアナウンスから始まった。誰一人置き去りにする事なく、みんなが楽しめるよう・・・そんな思いが伝わってきた。 
 
メンバーの登場とともにボルテージは急
上昇。1曲目は、自己紹介ソング『いきものがかりと同じ編成』。相手の名前を聞くという演出で、おーちくん(Vo)が人で埋め尽くされたフロアへ降り立った。相手の名前を聞いた後に「そうですか!僕は超能力戦士ドリアン!超能力戦士ドリアンです!!」の絶叫。踊り出すドリーマー(彼らのファンの愛称)。引きで観るとコメディーミュージカルのようである。
 “顔ファン”を風刺した『顔』、MCと続いて1回目の『天保山』へ。MVでも人気のこの曲は、後に何度も登場する。
パパンのパン』の後に、おーちくんが一旦退場。やっさん(Vo/Gt)のMCでの呼びかけとともに登場したのは、おーちくんではなく“恐竜”であった。『恐竜博士は恐竜見たことないでしょ』という、なんとも的を得た題名のこの曲。左からやっさん・恐竜・けつぷり(Gt)という並びは、字面だけで観ると大変シュールではあるが、恐竜が思いのほか本格的であるためにインパクトが大であった。今回写真を用意できなかったので、気になる方は、是非とも一度生で体現してほしい。
 
  MCをはさみ、2回目の『天保山』。そして新曲『秘密結社は許さない』を披露。ロックなチューンに、新しい彼らの姿が見え隠れする楽曲であった。
 鉄板曲『おいでよドリアンランド』では、手作り感満載の段ボール仕様の“ハリドリ”(段ボールにそう記されていた)が登場。そもそも、この楽曲は千葉県にある某テーマパークが題材なのでは・・・?というツッコミが脳裏を横切ったが、そこはぐっと堪えた。
観客が支える“ハリドリ”におーちくんが乗込み、観客の頭上を通過するのかと思いきや、支えていた観客が動き回るというまさかのトロッコ仕様。メンバー自身思いもよらなかった展開に、会場が笑いの渦に包まれた。
 そして再度退場したおーちくんだが、戻ってきたときには金髪(ズラ)の姿であった。『マイケル~外国からのお客様~』は、彼らには珍しいミディアムチューン。だが、隠れた人気曲の披露に、会場の熱気は冷めることを知らない。
 
 続いての楽曲『チャーハンパラパラパラダイス』では、彼らが慕う先輩バンドである愛はズボーンの、風船を飛ばすというライブ演出が行なわれた。敬愛する先輩バンドのオマージュかと思いきや、会場を舞う風船には“愛はズボーン”の文字。前日のライブで、愛はズボーンに風船での演出を相談したところ、彼らが風船をそのまま分けてくれたのだそうだ。
 
 熱気に包まれた中、観客が風船を持つ中で3回目の『天保山』。この日彼らを観ることが初めてだった人も、とうとう3回目である。
 そして次の曲では関係者やファンであるドリーマーへ捧げた、彼ら初のラブソング『アイウォンチューを発令中』。続いて『スマホの充電ナイトフィーバー』へと続く。
 そして『転売されてみたい』という、曲名だけでは勘違いを生みそうな曲へ。やっさんは「売れているバンドは転売されている。転売がいいことだとは全然思わないけど、転売されてみたい!!」と言い、彼らなりの“売れる”ということに対する定義の一つの指標として本楽曲を歌い上げた。
 最後に、会場全体がスマホのライトをつけて掲げる光景が圧巻の『WANIMAと同じ人数』で本編は終演。
ドリーマーが灯したスマホの光

 だが、鳴り止まない拍手にアンコールが行なわれた。とう4回目となった『天保山』。この曲では、海遊館という歌詞に合わせてメンバーがK・Y・Kのポーズをする。それぞれメンバーの立ち位置に沿って、観客もこのポーズをするのがお決まりだ。1回目ではぽかーんとしていた観客も、さすがに4回目となればきれいなポージングを決めていた。とうとう4回しているにもかかわらず、一度もボルテージを下げることのなかったこの楽曲。すさまじいパワーソングではないだろうか?

K・Y・K
最後は、この日から発売のEPにも収録されていない新曲『ヤマサキセイヤと同じ性別』を披露。やっさんは、彼がバンドを始めるきっかけとなったキュウソネコカミへの思いを、幾度となく語っていた。キュウソがよくライブをしていた梅田シャングリラで行なわれた彼らのワンマンライブは、大成功で幕を閉じた。
 だが、このライブは彼らにとって通過点にしか過ぎない。
 来たる2018年10月4日にBIGCATでのワンマンライブを発表したのだ。価格は1004円。なぜ10月4日なのかというと、「戦士の日」だからだそうだ。
 また、ヴィレッジヴァンガード三宮店で、彼らのCDの取り扱いが始まるとの発表も。
 止まるどころか、急加速を続けてやまない超能力戦士ドリアン。新しいバンドの形を提示する彼らの活動に、目が離させないでいる。インフィリでは今後も彼らの姿を、追い続けていく。

ドラムソロ




                          all live photo by 雷


超能力戦士ドリアン→公式HP :https://www.durian.band/. 公式twitter:@durian_official 
10/18よりNEW EP『最高金賞受賞』発売!!
雷(らい)→HP:http://nameless5d.wixsite.com/shoote  twitter:@nameless4645 超能力戦士ドリアンの他に、愛はズボーン・ビレッジマンズストア・リーガルリリーなどのライブ写真の撮影も行なっている.


written by saeco hitomi

           
                                   














【 deronderonderon deronistour in Pangea2017.12/19】       皆さん、“ニューレイヴ”ってご存じ?ロック音楽のスタイルの一つで、エレクトロの要素もあるとされている。とどのつまりは、踊れるロックの業界的な...